本棚

2014.03.25

鈴木梅花 『毎日が楽しくなる「虫目」のススメ―虫と、虫をめぐる人の話』

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ふと図書館で手にした本だけど、大当たり!
先を読んでページの残りが少なくなるのが惜しくなるくらい、おもしろかった。
写真のほれぼれするような美しさもさることながら、文がおもしろい。
根っからの虫嫌いの人にはちと厳しいかもしれないけれど、「子どもの頃はかわいいと思えたのになあ」という方には、子ども時代自分の中に抱いていた虫の「目を見張るべき」価値を、きっと思い出させてもらえると思う。私も、そのひとり。
この本読んで、また足元の虫を探してみたくなったよ。

「虫ってすげーなあ」
そんな感嘆が何度も口について出てくる、そんな本。

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2005.06.23

Book Baton

うわーうわー、りつこさんからまわってきちゃった!
ちまたではこういうのが巡りまわっているのか。音楽の方にしろ、なーんにも知りませんでした(ネット上に知り合いがほとんどいない)。
だから、りつこさんに指名されたときは、まるで買ってもない宝くじに当選したような感覚でした。「ええ?!うっそー!!わたし??え?いいの?わたしなんかがもらっちゃって?いやまてよ落ち着け、同姓同名の他の誰かかも・・・。」

動揺しまくりだけど、でも頭の中は「なにを書こう」でいっぱいだ。うーんうーん。
そういや最近本棚のページも全然更新していない。これを機会に読書熱よ再び!になればいいなあ。ネットばっかりってのもなあ・・・。
ではでは、お暇な方はよかったら覗いていってください。


●持っている本の冊数
本棚2つ分くらいだった。だいたい700冊強。ほとんど大学生のときに買ったものだった。
こっちに来てからはもっぱら図書館に通ってます。
実家に置いてきたのはどのくらいあったか覚えてないなあ。なに読んでたのかもほとんど覚えてないけど、小説が多かったと思う。今はほとんど読まないなあ。


●今読みかけの本 or 読もうと思っている本

今読んでいるもの  岡本夏木 『幼児期』

もうひと月も前に買った本だけど、半分ほどで止まったままですら・・・。いや、内容はとても興味あるんだけど。
「育児本」なるものは全然読まなかった私だけど、ふと本屋で手にとって目次を見たら「読んでみたいな」と思える項目があったから。
周りからとやかく言われがちな子育てだけど、なんでだろう、言われたことに反発はできるけど反論ができない(私の中で相手を説得できるだけの言い訳が生まれてこない)。
それは、私にとって子育ては初めてのものであり、なおかつ継続中なものであるから。確証が、できないのだ。
とかなんとかいいつつ、自信がないんだな、たぶん。自分のやりかたに。
「何でも早く1人でできること」に目くじらをたてる必要なんかないんだ(そしてそういう意見に戸惑う必要もない)、と改めて安心させられた本。
はやく続きを読もう。


●最後に買った本(既読、未読問わず)

ジョン・ダワー著 『敗北を抱きしめて(上・下)』 

読みたくて速攻買いに行った本だけど、読み始めると途端に眠たーくなってしまう。
もう何度読み始めたかわからない。いつも「今日こそは!」と読み始めるのだけど、どうしても5ページ目以上に辿り着けない。きっと、そこを越えればもう引きずり込まれるように読めるんだろうけど・・・。
峠越えができるのはいつのことやら。


●特別な思い入れのある本、心に残っている本5冊(まで)

・灰谷健次郎 『兎の眼』 

家の本棚に昔からあった本。はじめてその中から自分で手にとって読んだ本。小学校4年生の夏だったと思う。
ハードカバーでとてもぶ厚かった。とても読めそうにないかも、と思いながら読み始めた記憶がある。文章がとても易しい言葉でわかりやすいものだったから、読めたんだろうなあ。
読んでみたら一気に夢中になった。晩ご飯も食べずに4時間くらいで読みきった。ものすごい感動と満足感と達成感。あの感じはちょっと忘れられない。
どうしてこの本を手にとったんだろうか。今でもわからない。「兎」って字の読み方が最後までわからなくて、読み終わったあと母に尋ねたのを覚えている。


・三木清 『人生論ノート』 新潮文庫

大学に入って、人間関係と自分のこれからの方向性にちょっと悩んでいたとき、図書館の哲学書のコーナーで目に入ってきた本。「哲学なんて、難しいんだろうなあ」と思いながら、眉間にしわを寄せてパラパラとめくってみた本だった。
脳天がーんとやられたような気分だった。ああ、こんなことを考えられる人がいるんだ、と鳥肌が立った。
「この人すごい!」と思って発行年を見たら、昭和29年。三木清という人、哲学界では有名すぎる人だと知ったのはその本を読んだあとだった。
この人の「幸福論」は、今もずうっと私の心の中で額に入れてかけてある。


・井上ひさし 『吉里吉里人(上・中・下)』

これは本当におもしろかった。この人の書く本、ものすごーく眠たくなってしまうものもあるけれど、これはもうテンポがよかった。すんごく長いけどそれを感じさせなかった。いや、でも長い。
国家とか民族とか、そういうことに敏感になっていたせいもあるけど、考えさせられる部分あり、でも読んでいてワクワクする。全然遠い世界の話なんかじゃないんだなあと、不思議な感覚だった。
こういう発想をできる力、すごいなあと思う。
そして、こんなふうに一見難しく考えてしまいがちな大切な問題を、風刺まじえてのコメディータッチ(純粋なコメディーでは全然ありませんが)で描けることを、本当にすばらしいと思う。


・片倉もとこ 『アラビア・ノート』

これは私のサイトの本棚のページにものせています。この本は言うなれば、私の「元気の源」かな。
偶然本屋で手にした本だけれど、運命的にすら感じます。
内容は文化人類学者の著者が、アラビアの庶民の生活にとけ込んで、そこでの暮らしを調査するというフィールドノート。大学後半くらいから、文化人類学の分野に関心が高くなったため、卒業後ももっぱらこの分野の本を読みあさっている。
一度だけ、妊娠中に民族学博物館(大阪)に、この人の講演を聴きに行ったことがある。もうおばあちゃんなんだけど、この人の感性は本当に素敵だ。
この本を開くと、結婚したって、子どもがいたって、思い続けていたら好きな仕事は続けていける、そうやって励まされる。


・「石垣りん詩集」 現代詩文庫

茨木のり子とどっちにしようかと迷ったけど、茨木さんの本は本棚のページに紹介してあるので、ここではこちらを。
詩集はそんなに読む方ではなかった。というか、まったく興味がなかった。でもこの2人の詩に出会ったら、詩がどれほど言葉を美しく紡いでいるかということに気づいて、見方を改めてしまった。
1年に2,3度読みたくなって開くだけ。その時々によって、目に留まる詩が違っていておもしろい。
残念ながら、石垣さんは昨年末に亡くなった。


●次にまわす人5人まで

だ、誰にしよう・・・。ブログしていない人でもいいのかな?
ええい、すみませんが思いきってお名前出させてもらいます。

bou2さん
SHOKOさん
Atikahさん
森のくじらさん

本当に、気がすすめばでかまいませんので。
読んでみたいなーと思って、お名前ださせてもらいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あ~終わった終わった!

私の最近の志向が小説ではないので、他の人がこれを見て、あんまり興味の湧くような紹介にならなかったかもしれません・・・。
でも私は楽しかったので、それでよしとしよう!
また、どんどん本を読んでいこう、という気になってきて嬉しい。
りつこさんありがとう。

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2005.03.01

『地理 統計要覧』 二宮書店

「読みもの」ではありませんが、ちょっと紹介。
地理が好きだと自覚したのは中学1年のとき。いろんな国や地域の、地形や文化・宗教、食生活などを知ることが、ものすごくおもしろいと思った。何時間でも地図を眺めた。好きなことを仕事にしたいと、社会の先生になろうとしたが、社会の先生は地図だけみていてもなれない。歴史(日本史)はからきし弱かった。以来、地理好きは趣味と転じたが、いまだに民族とか文化などの類を知ることに、ワクワクと胸が躍る。
これは地図と同様、いつでもパラパラとめくって、行ったこともないその国に思いを馳せ、そこで暮らす人々の生活を想像してみるのに、とても役に立つ。「統計要覧」なんて、なんの面白みも感じられないタイトルだが、中をひらくとあら不思議。まるで目の前にその土地の風景がひろがる思いがする。
例えば、「コーヒー豆の生産」をみる。生産高のランキングだ。へえ、こんな国にもコーヒーがたくさんできるんだ、と感心。それから隣の「コーヒー豆の消費量」に目を移す。これまたランキング。さっきの表には載っていない国々がランク入り。ほお、作っているところではほとんど飲まれていないんだ、ということがわかる。
その他にもありとあらゆる統計がずらり。「世界の主な窪地」だとか、「将来人口」だとか、「原油の埋蔵量」だとか、はたまた「地球規模で絶滅のおそれのある種」なんてのも。そのいちいちに、「へぇぇ」と感嘆をあげてしまう。
この統計要覧は毎年新しいものが発行されています。値段も400円弱とお手軽。たぶん高校の教科書関係の、社会科地理コーナーを探せば見つかるはず。400円で世界の国の妄想がひろがるなんて。妄想癖のある方、世界の国に興味のある方、おすすめします。

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浦沢直樹 『20世紀少年』 小学館

漫画も好きです。
前作の『MONSTER』でもびっくらこいたけど、これはすごい。どうしてこんな話を考えだせるのか。読み始めると本に引き込まれ、周りのものが見えなくなる。懐かしい。この読み終えたときの、現実がふわふわしているような感覚。10代前半までは、こういう気分をよく味わえたような気がするけど。
こんなストーリー、現実にはあり得ないんだけど、でも似たような未来がもしかしたらつくられるんじゃないか。今だって、「正しいこと」が決して優先されているわけでもなく。人はつらい状況では、「やさしい」言葉に簡単に手を伸ばしてしまう。そんな不安がひたひたと沁みているのを感じる。
おっと、決して暗い気持ちにさせるような漫画ではありませぬ。むしろ勇気づけられるくらい、たくましい少年(だった大人)のお話し。

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黒柳徹子 『トットちゃんとトットちゃんたち』 講談社

子育てで仕事から離れ、いつも家にいるようになると、昼間見るテレビ番組も決まってくる。私はあまりテレビは見ないほうだけど、料理番組は好きで、「神沼恵美子のおしゃべりクッキング」をたいてい見ている。で、そのあとが「徹子の部屋」だ。「徹子の部屋」を見るなんて、小学生の頃風邪で学校を休んで、見たい番組を探していて偶然そのチャンネルを押してしまった、でもすぐ変えちゃうけど、というくらいありえなかったことだ。その「徹子の部屋」をなぜか見るようになって、この人のことを今まで誤解していたことに気づいた。
それまで私は、黒柳徹子といえば、単なるおしゃべりで変わった髪型の人、というくらいしか思ってなかった。ユニセフの親善大使をいうことは知っていたけれど、そのことと黒柳徹子が結びつかなかった。なぜ、黒柳徹子なのか。
それが番組を見るようになって、少しずつどういう人なのかということがわかってくると、もっと知りたいと思い始めたのだ。で、図書館で借りてきたのが『窓ぎわのトットちゃん』と、この本。『窓ぎわのトットちゃん』を読んで、この人の子ども時代がわかると、すんなり理解できた。なぜ親善大使になったのかということが。
世界中の小さな子どもたちが、病気や飢えで死んでいる。そして、繰り返される戦争。目を覆いたくなるような現実が、今も地球上のたくさんの地域にあるのだ。母親の視点でこの本を読むと、胸が張り裂けそうだった。死んでいく子どもの数と同じだけ、泣き叫ぶ母親がいる。どうして私がここに生まれたのか、死んでいった子どもはなぜその場所に生まれたのか、あまりの理不尽さにうなだれてしまう。そして、こういう事実はほとんど報道されない。
私はここに生まれて幸せだったと、思わずにはいられない。娘を、思いきり抱きしめた。

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黒柳徹子 『窓ぎわのトットちゃん』 講談社青い鳥文庫

この本、小さい頃家の本棚にあったのを覚えている。母が読んだのだろう。私は大きくなっても、ずっとひらかないままだった。
読んでみて驚いた。黒柳さんて、なんていう記憶力の持ち主なんだろう。
落ち着きのない性格から、「普通の」小学校を退学させられ、新しい学校に転校する。この素敵な学校のことやそこで出会った校長先生、友達たちのさまざまなエピソードが描かれている。本当に、ついこの間の出来事のように、小学校時代の黒柳徹子・トットちゃんがおしゃべりしている。なんでもないような母親との会話や、校長先生のお話しなど、よくもまあこんなに鮮明に記憶しているものだと感心する。やっぱりこの人、ただものじゃない。
私は自慢ではないが、小学生の頃の記憶がほとんどない。とくに、楽しい思い出というものがない。なんでだろう。中学生からの記憶は、かなりはっきりしているのだけど。これは昔から不思議に思っていたことで、今思うに、感じたことを、改めて自分の中で自覚しなければ、心の中には残らないのだ、記憶というのは。そして、他者とちゃんと向き合わなければ、自分の思いを確認することは難しい。小学生がそんなこと考えながら日々を過ごしているとは思えないけど、「どうしてあの子は私にあんなことを言ったんだろう?」とか、「なんでこの先生はいつも怒ってるんだろう?」と、考えて自分なりに答えを出さないと、記憶の中には残らないんじゃないかと思ったのだ。
「知りたがり」のトットちゃんだったから、こまかい日常でのやりとりを記憶していたのだ。私はきっと、ぼーっとした小学生だったに違いない。それが今とても、もったいなかったなあ、と残念でならない。

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三谷幸喜 『三谷幸喜のありふれた生活』 朝日新聞社

三谷幸喜のエッセイ集。朝日新聞の土曜の夕刊に毎週連載されているものが、本になったのだ。(夕刊がない地域は、土曜の日刊に掲載。私の実家もそう。)うちは朝刊しかとってないのに、間違って夕刊も配達された時期があったのでこの存在を知り、毎週楽しみに読んでいた。夕刊が来なくなったので、それならばと本を買った。とにかくおもしろい。何度腹をかかえて笑ったことか。さすがコメディーの劇作家。なんというか、まぬけなおかしさなのだ。たまたま私の「ツボ」にはまるのか。この人の作品は、映画やドラマなど前から好きだったが、もうこのエッセイで三谷さんの人柄に惚れてしまった。(私にとって)まさに理想のダンナ。ちょっと(いやかなり)変な人なんだけど。こんな人、どこかにまだいないかなあ。
このエッセイ今(04年11月現在)も続いていて、すでに3冊の本になっています。あとの2冊は『ありふれた生活2 怒涛の厄年』と『ありふれた生活3 大河な日日』。どれもおすすめ。

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福島瑞穂 『結婚と家族』 岩波新書

なんでこんなベタなタイトルの本を手に取ったのか、今でも不思議だ。私は本屋で本を選ぶとき、たいてい背表紙のタイトルだけをざっと見渡し、取捨選択する。本屋がこの上なく好きな私は、なるべく大きい書店に行き、興味のある分野の棚は隈なく見て回るため、そうなってしまう。少しでも私の求めるイメージに引っかからなければ、見過ごすことになる。しかもこの本は岩波新書で、表紙からは何にも訴えられることのない。ますますもって不思議だ。
おそらく私自身が結婚を目前に控えた時期で、うっとうしい問題がふつふつと湧き上がっていたのだろうと、後から考えると少し納得。マリッジブルーのなせるわざか。
さて、内容はというと、実はおおいに読みごたえがあった。夫婦から始まる家族の関係、戸籍に家制度、夫婦別姓などの問題が、わかりやすい例で紹介されている。読めば読むほど、今の日本の家族のあり方に、女性のおかれている立場に、腹が立ってくる。知らないでいた方がよかったような、でもこの先避けて通れなくなるような、暗い未来が見えた気がした。なんとなく結婚した人は読まないほうがいいかも。でも、変わっていってることもあるのだ。どうせ年取ってぶち当たる問題なら、今のうちから考えてやろうじゃないの、という気のしっかりもった方に、おすすめします。

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マルセ太郎 『奇病の人』 講談社

学生の頃、マルセ太郎がうちの大学に公演に来た。私はその公演準備などでかりだされた学生の1人だった。
マルセ太郎という人は、もとはサルの形態模写やパントマイムをする芸人だった。晩年は「スクリーンのない映画館」という、映画を一人で語って演じる独自の芝居を続けていた。2001年に患っていた肝臓ガンで亡くなった。
その闘病生活を綴ったのがこの本。はじめっからガン告知をされるが、マルセさん持ちまえの前向きさで、病に立ち向かっていく。
この人、顔はちょっと怖いのだけど、世間を風刺したコントがめちゃくちゃおもしろかった。テレビなどにあまり出る人ではなかったので、知ってる人は少ないと思うけれど。そして芸だけでなく、文章もとてもおもしろい。闘病記なのに、おもわず吹き出してしまったりする。前著の『芸人魂』とともにおすすめ。

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ノーマフィールド 大島かおり訳 『天皇の逝く国で』 みすず書房

学生時代、卒論のテーマを決めるきっかけとなった本。
著者は日本人を祖母にもつアメリカ人女性。昭和天皇の死去にともなう日本国内の異様なまでの反応を、冷静な目で観察する。そして戦争とともに存在した天皇が死んだこの国で、したたかに抵抗を続ける日本人の生きざまを綴る。天皇の死とその後の日本。熱しやすく冷めやすいこの国の、大切な議論もせずまま今に至ってしまったその影で、葬られかけた権利を求め、生きている人がありのまま描かれている。
毎日ながれるニュースに、反応して憤ったり悲しんだり。でも次の日には頭の片隅にもなかったりする。しょせん「自分の問題」ではないのだ。ひとつのことを、一生かけて追い続けている人の姿に、ならうべきものがあると思う。

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