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2005.03.01

ノーマフィールド 大島かおり訳 『天皇の逝く国で』 みすず書房

学生時代、卒論のテーマを決めるきっかけとなった本。
著者は日本人を祖母にもつアメリカ人女性。昭和天皇の死去にともなう日本国内の異様なまでの反応を、冷静な目で観察する。そして戦争とともに存在した天皇が死んだこの国で、したたかに抵抗を続ける日本人の生きざまを綴る。天皇の死とその後の日本。熱しやすく冷めやすいこの国の、大切な議論もせずまま今に至ってしまったその影で、葬られかけた権利を求め、生きている人がありのまま描かれている。
毎日ながれるニュースに、反応して憤ったり悲しんだり。でも次の日には頭の片隅にもなかったりする。しょせん「自分の問題」ではないのだ。ひとつのことを、一生かけて追い続けている人の姿に、ならうべきものがあると思う。

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