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2005.03.01

黒柳徹子 『窓ぎわのトットちゃん』 講談社青い鳥文庫

この本、小さい頃家の本棚にあったのを覚えている。母が読んだのだろう。私は大きくなっても、ずっとひらかないままだった。
読んでみて驚いた。黒柳さんて、なんていう記憶力の持ち主なんだろう。
落ち着きのない性格から、「普通の」小学校を退学させられ、新しい学校に転校する。この素敵な学校のことやそこで出会った校長先生、友達たちのさまざまなエピソードが描かれている。本当に、ついこの間の出来事のように、小学校時代の黒柳徹子・トットちゃんがおしゃべりしている。なんでもないような母親との会話や、校長先生のお話しなど、よくもまあこんなに鮮明に記憶しているものだと感心する。やっぱりこの人、ただものじゃない。
私は自慢ではないが、小学生の頃の記憶がほとんどない。とくに、楽しい思い出というものがない。なんでだろう。中学生からの記憶は、かなりはっきりしているのだけど。これは昔から不思議に思っていたことで、今思うに、感じたことを、改めて自分の中で自覚しなければ、心の中には残らないのだ、記憶というのは。そして、他者とちゃんと向き合わなければ、自分の思いを確認することは難しい。小学生がそんなこと考えながら日々を過ごしているとは思えないけど、「どうしてあの子は私にあんなことを言ったんだろう?」とか、「なんでこの先生はいつも怒ってるんだろう?」と、考えて自分なりに答えを出さないと、記憶の中には残らないんじゃないかと思ったのだ。
「知りたがり」のトットちゃんだったから、こまかい日常でのやりとりを記憶していたのだ。私はきっと、ぼーっとした小学生だったに違いない。それが今とても、もったいなかったなあ、と残念でならない。

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